任天堂の苦境
少し古めですが、ネット上でニュースを見ていると気になる記事が。
8月初め、任天堂で1通のメールが社内に衝撃を与えた。
「ここ10年、任天堂はバブリーに拡大しました。そのせいでお金の使い方が荒くなっていませんか?」
メールにつづられていたのは、こんな問いかけだ。送り主は社長の岩田聡。自由な発想で世界中のゲームファンに夢と感動と驚きを――。そんな奔放な社風を是とする任天堂に突如下ったコスト削減指令だった。
日本経済新聞より 全文閲覧には要ログイン
任天堂、といえばゲームとかに詳しくなくても知っているエンタメ会の大企業。花札会社がファミコンのヒットで「テレビゲーム」のジャンルを作り出し、近年もWiiやNintendoDSのヒットで非常に経営状態のよい企業として有名でしたが、今年の4-6四半期は四半期決算として初めて営業赤字を計上しました。
原因の一つに挙げられるのが、鳴り物入りで登場した携帯型ゲーム機の「3DS」。裸眼3D+携帯ゲームというこの新機種は、残念ながらあまり売れず、発売後に1万円値下げするという事態になりました。それまでの売価で納品していた小売店への補償、あるいは既に購入しているユーザーへのソフト無償提供などでも費用はかさんだ上、購入済みユーザーからは値下げに対する批判の声も上がっていました。
元々任天堂という会社は、以前に一度多角化経営を行っては失敗し、玩具、さらにはテレビゲーム機で復活してきた会社です。また、テレビゲーム機のブーム後も、セガ、ソニーといった会社からのハードウェアが出始めた時期(セガサターンやプレイステーション)もシェアを奪われ、WiiやNintendoDSで再度シェア奪還を果たした会社です。
現在の状況は、微妙に後者の時期と似通うところがあり、ゲーム業界に変化が現れているところが共通です。というのも、従来の「ゲームはゲーム機で」というパターンに加え、携帯やスマートフォンの普及で、それらの端末が簡易なゲーム機と化しているからです。以前は1社独占状態の所に他社参入、でしたが、今回は数社独占状態に、他社が“多数”参戦してきています。小型PCとも言えるスマートフォンでは、携帯ゲーム機ほどの高性能なゲームはできないものの、手軽なゲームであれば充分にできる性能ですから、任天堂が得意としてきた「ライトユーザー層」の一部があまり「ゲーム機のゲーム」を買わずに、スマートフォン上でダウンロードしてきて、なんていうパターンも増えました。今後も苦境が続くのか、それとも起死回生を果たすのかが注目です。




